2017年4月18日火曜日

チームの目標の立て方

目標と目的の違い

目標と目的とは違うものです。これを混同しているチームは結構多いのかも知れません。
数値や具体的な言葉で定めたものが目標で、数値を定めないものが目的です。
つまり、「1回戦を勝とう」「県大会に出場しよう」は目標で、「頑張って練習しよう」「出来るだけたくさん勝とう」などは目的になります。
目標は具体的なので、例えば「優勝」の目標を立てた場合、ライバルチーム(1チームではないかも知れない)の情報を入手しそれに対応する手段を考え、自分たちの弱みをなくし強みを増す、などを実践することになります。対策の内容や習熟度によって目標達成の成否がかかることになります。
目的は抽象的な面が多く、例えば「がんばろう」という目的を立てた場合、それを評価するのは自分自身になります。

数値化しないことには、自己満足に陥る可能性があります。この中にも「目標」「目的」の文字がたくさんあります。実は私もその語句を正しく使っているかどうか分かりません。
しかし「チームの目標」を立てる時には少し考えてみて下さい。

目標の決め方

では、目標は誰が決めるものでしょうか。もちろん誰に相談してもかまいません。
①選手全員の意見で決める。
②キャプテンが決める。
③コーチが決める。
④保護者会で決める。
では、性格の悪い私としては、これらの欠点を述べてみます。

①結構多くのチームがこうやって決めているかも知れません。
人の考えはまちまちで、しかも状況によって変化します。
従って話し合いをしても全員が満足する目標を設定するのは非常に難しいでしょう。
全員の意見を取り入れたものは、目的になりがちです。
②キャプテンが決めると言っても、実際には誰かと相談するでしょう。少数の何人かが勝手に定めたものになってしまいがちです。
③コーチに意見を言えなかった子にはやはり不満が残るでしょう。
④選手の意見を聞いてのことでしょうから、①とおなじことになります。
それでは、どれがいいのでしょうか?どれにも一長一短があり、よく分からないと思います。

民主的であると思っている、「選手全員の意見で決める」は欠点が多いのです。ましてや多数決やじゃんけんは民主的ではありません。少数派の意見を封殺するための多数決は「民主的」でも「みんなで決めた」とかではありません。これらの方法では必ず不満が残る人がいるからです。つまり、チーム一丸とはなれないのです。
キャプテンが決めても監督やコーチが決めても同じことで、誰かの不満が残ります。

しかし、どうやって目標を決めたらいいのでしょうか。それは「分からない」です。もう少し言うなら「どれでもいい」のです。上に述べたように、どのような決め方をしても不満が残るからです。ここは、全員が今一度チームというものを、考えなくてはならない時なのです。

目標の本質はチームというものの方向性で個人というものは入りません。必要なことは、チームの目標を達成するために、自分が目標とどう関わるか、ということを考えることです。従って、個人的に不満があってもそれは目標自体が悪いわけではなく、チームというものの考え方の違い、すなわち選手としての未熟さによるのです

目標と努力

目標を設定したら、今日しなければならないことを考え、努力しなければなりません。しかし、目標は義務でなく、未来へ挑戦するための指針です。これを誤ると、プレッシャーがかかり結果的にパフォーマンスが落ちてしまいます。

目標を達成するための唯一の方法は、全員がチームとして動かなくてはなりません。では、人を動かすにはどうしたらいいでしょうか。それは、仲間の気持ちを分かることです。お互いに、励まし、感謝し、時にはうまくいかないプレーについて考えたり、自分を型にはめずにバスケットをできるようにしましょう。
そして、チームと自分のために行動するのが大切です。意識して人の気持ちを分かるようにしましょう。

最後に野球の大谷選手が高校1年の時に作った「目標達成票」を上げておきます。二段階で自分のやることを洗い出して、具体的な目標達成を目指していますね。具体的な数値や期間がないところも多いですが、ここまで目標のために何をするかを考えているのは素晴らしいと思います。



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