2017年9月5日火曜日

シャッフル・オフェンス


シャッフル・オフェンスは、選手のポジションを固定せずポジションを変えながら、連続的に動いて攻撃するオフェンスです。よいセンターがおらず全体的に小柄な場合にはシャッフルオフェンスを行うことがあります。このオフェンスは、中心となるベーシックカット・ムーブメントを軸として、通常は7つのオプションプレーからなります。ベーシックカット・ムーブメントは、3つのスクリーンからなる縦横の連続カッティングです。オプションプレーでもスクリーンを中心とした多くのプレーが現れます。ポジションを入れ替わる場合、スクリーンとウイーブ(交差)の2種類のプレーがあります。ディフェンスとの相性はスクリーン、速度ではウイーブですので、いくつかのスクリーンはウイーブに代えることができます。全てのプレーヤーはどのポジションからでもプレーでき、どのオプションプレーも理解しなければなりません。これが、シャッフル・オフェンスの弱点であると同時に強みでもあるのです。すなわち、シャッフル・オフェンスが理解できるのが5人未満の場合は、このオフェンスは使用が難しくなります。しかし、理解できる選手が6人以上になると、誰が出ても同じような成果が期待できます。
ここでの図では、ローポストに2人入れていますが、別にコーナーでも構いません。スクリーンの位置が難しくなる代わりに、ペイントエリアのスペースが広くなります。また、第一スクリーンはステーショナル・スクリーンにしていますが、そうでなくても構いませんしファーストカットのあとセカンドカッターをウイングに上げて、ファーストカットと同じカットを行うものもあります。どのようなものでも一長一短がありますが、とりあえず大学2年生で行ったシャッフル・オフェンスを中心に記載します。

基本形
シャッフル・オフェンスの基本形です。フィーダーはプレッシャーがかからないならウイングでも構いません。シャッフル・オフェンスを行う場合は、まず、全員がこの形を覚えなければならず、ここからの動きを理解しなくてはなりません。




ベーシックカット・ムーブメント
ベーシックカット・ムーブメントは、シャッフル・オフェンスにおいて軸となる動きです。
開始のボール保持は①でも②でも構いません。①がボールを保持しているときは、②にパスします。③はローポストからフェイクしてからアウトサイドに飛び出します(図2)。
③は②からパスを受け、ドライブインかシュートをねらいます。ディフェンスがシュートやフェイントに反応した場合は、ドライブインします(図3)。
①は②にパスした後、③のドライブインのタイミングに合わせて、エルボーの⑤に自分のディフェンスがぶつかってスクリーンがかかるように、ボールサイドをSカットします(図4)。
この場面では、⑤が①にスクリーンするプレーがあります。また、④が①のカットインの邪魔にならないようにウイングに上がるプレーもあります。
⑤は①のスクリーン後、すぐに④にダウンスクリーンをかけます(図5)。この場面では、⑤のピックアンドライブ(①のスクリーン通過直後に中へ飛び込むプレー)してからの④へのスクリーンがあります(ピックアンドロールは遅いため次のプレーに間に合わない)。また、④がウイングに上がっているときは、エルボーに留まるか、④にスクリーンに行くかします。
④はカットインした後、⑤と逆のエルボーへポストアップします。②は⑤にダウンスクリーンをかけ、⑤をトップに上げた後、アウトしてローポストに入ります(図5)。⑤はフリースロー付近でボールが入ることがあるので注意が必要です。また、④にスクリーンをかけた後、ピックアンドロールをしている場合は、オーバータイムに気をつけなくてはなりません。
②と④の移動が終わると、逆サイドのベーシックカット・ムーブメントの配置になります(図7)。それぞれのポジションは次のようになります。
ファーストカッター→ セカンドカッター→ ポストマン→ ポイントマン→ フィーダー→ ファーストカッター

スプリット・オプション
ボールの動きはトップを経由してストロングサイドからヘルプサイドにパスします。従って、トップのディフェンスにボールを持たせないようにディナイしてくることが考えられます。スプリット・オプションは、②(ポイントマン)がディナイされた場合のオプションプレーです。このプレーによって、②(ポイントマン)へのプレッシャーを減らすことができます。
スプリット・オプションは2種類のプレーがありますがその目的については同じです。プレーはベーシック・カットのポジションで①がボールを保持しているが②にパスできない状況から始まります。
1つは、①が②ではなく⑤にパスします(図8)。このとき、他の簡単なプレー(ローポストの中へのプレーや①にリターンしてシュート、自分の1対1など)を頭に置いておかなくてはなりません。
①は④にダウンスクリーンをかけます。④は①のスクリーンを利用して⑤からパスをうけてシュートします。①はローポストに移動します。ヘルプサイドは②が③にダウンスクリーンをかけます。③はスクリーンを利用してトップに動き、②はローポストに移動します(図9)。
④は、シュートできない時、今度はプレッシャーのかかっていない③にパスして、新しいファーストカッターとなり、ベーシックカットを行います(図10)。
もう1つのスプリット・オプションは、②のディフェンスが⑤にヘルプに行ったり、ボールラインを守ったりして下がった場合です。⑤は②にパスし、②は飛び出した③にパスします。①のファーストカットによって、ベーシックカットに入ります(図11)。  ④の位置からパスが入る場合は、①のドライブに合わせて④がウイングに動きます(図12)。①は⑤にパスして④にスクリーンを作ります。④がスクリーンによりフリーとなったところへ⑤からパスをして、シュートまたはドライブインをねらいます(図13)。  もしこの場合に②のディフェンスが下がるようなら、⑤②③とパスして、④が①のスクリーンを使わずにベーシックカットに入ります。

ローテーション・オプション
ローテーション・オプションは、ボールをヘルプサイドに移さずに、ストロングサイドに置いたままで攻撃するオプションで、②および③のディナイに対抗したり、プレーの方向を一時的に変え、ディフェンスに対抗するために行います。
まず、④はコーナーに出て、①からのパスをもらいます。①は⑤をスクリーンに使い、ボールサイドカットをします(図14)。
または、⑤のスクリーンを利用したバックカットでも構いません(図15)。いずれの場合も、③はリング下のヘルプディフェンスを減らすためにウイングに上がります。
図で示されるように⑤②③とローテーションします。④がウイングの⑤にパスすれば、ベーシックカットに戻ります(図16)。ウイングの⑤がエルボーの②をスクリーナーとしてカットすれば、ローテーション・オプションが継続します。

バックドア・オプション
スプリット・オプションはセンターを使い、パスをヘルプサイドへ送り、ベーシックカットを継続するオプションですので、トップとセンターの両方をディナイされたときのオフェンスです。
②と⑤がディナイされた場合は、③がトップオブザキー(フリースローサークルの頭)に出て①からのボールをもらいます。このとき、②と③の距離が近いと、トラップ(この場合はダブルチーム)される可能性があるので、②は③から十分に離れなくてはなりません。また、⑤はディナイに対してドロップカットがあることを考えないといけません(図17)。④はリング下をオープンにするためにコーナーに動きます。
②はトラップ解消のために③の横を走り抜けますが、うまく相手を振り切れたときは、フリップパスからドライブインとなります。③はヘルプサイドがオープンになっているので、いつでもアイソレーションが可能です。また、①は⑤のスクリーンを使い、バックドアに走ります(図18)。
①がうまく走れなかったときは、④にスクリーンします。④はスクリーンを使ってウイングでボールをもらいます。リング下まで走り込んだ②はヘルプサイドのローポストに移動します(図19)。この時点で形を整えていれば、ベーシックカットに戻ることができます。
②と⑤がディナイされた場合は、③がトップオブザキー(フリースローサークルの頭)に出て①からのボールをもらいます。このとき、②と③の距離が近いと、トラップ(この場合はダブルチーム)される可能性があるので、②は③から十分に離れなくてはなりません。また、⑤はディナイに対してドロップカットがあることを考えないといけません(図17)。④はリング下をオープンにするためにコーナーに動きます。
②はトラップ解消のために③の横を走り抜けますが、うまく相手を振り切れたときは、フリップパスからドライブインとなります。③はヘルプサイドがオープンになっているので、いつでもアイソレーションが可能です。また、①は⑤のスクリーンを使い、バックドアに走ります(図18)。
①がうまく走れなかったときは、④にスクリーンします。④はスクリーンを使ってウイングでボールをもらいます。リング下まで走り込んだ②はヘルプサイドのローポストに移動します(図19)。この時点で形を整えていれば、ベーシックカットに戻ることができます。

④へ①と一緒に⑤もスクリーンに行き、ダブルスクリーンを作ります。⑤はペイント中央に移動できるチャンスがあります。④はダブルスクリーンを使ってウイングに出ます(図20)。
③はリトリートドリブルからヘルプサイドの②にパスします。⑤はエルボーでスクリーンを作り、④はそのスクリーンを使ってカットし、ベーシックカットに戻ります(図21)。

キックバック・オプション
キックバック・オプションは、③のフィーダーに対するディナイに対抗するためのプレーで、フィーダーにパスせずにベーシックカットを継続するプレーです。
①は、②にパスした後、⑤のスクリーンを利用してカットインします。③は、②からパスを受けるためにウイングに上がります(図22)。カットした①はローポストへ、⑤は逆側のエルボーに動き、②は、③へのパスフェイクをして、上がってきた④にパスします(図23)。

イクスチェンジ・オプション
コート全面で激しくプレッシャーをかけてくるチームは多いです。イクスチェンジ・オプションは、ディフェンスの積極的なディナイに対するオフェンスです。このオフェンスは、パスではなくほとんどドリブルで意図するところにボールを運び,あいたところにもう片方のオフェンスプレーヤーがポジションチェンジして、攻撃を継続させます。イクスチェンジ・オプションは数種類ありますが、基本的にドリブル移動とスクリーンを使ってボールをもらう方法との組み合わせになります。
①は②にパスしたいのですがディナイされているので、パスせずにドリブルでトップの位置に進み、③にパスします。②は、①とポジションチェンジしてから⑤のスクリーンを使ってバスケットに向かってカットし、ベーシックカットを継続します(図26)。
①は④の方向にドリブルし、④は①のドリブルスクリーンを利用して手渡しパスを受け、ウイングにドリブルします。この時、ヘルプサイドで②と③が同じようにスクリーンを使ってポジションチェンジします(図27)。④が③にパスし、ポップアウトした②にまわせば、ベーシックカットに戻ります。
③と④がクロススクリーンでポジションチェンジし、②と⑤がダウンスクリーンでポジションチェンジします(図28)。①から⑤、ポップアウトした④にパスし、①が②のスクリーンでカットインすれば、ベーシックカットに戻ります。
①はトップの方向にドリブルで進み、②は①とポジションチェンジします。⑤はクロススクリーンで③とポジションチェンジします(図29)。③がエルボーに出てポップアウトした⑤にボールが通ればベーシックカットになります。

トレイル・オプション
トレイル・オプションは、ボールマンである③のフィーダーに対して激しくプレッシャーがかけられているときのオプションであり、トレイルプレーを使ってプレッシャーを解消してパスをするのを目的としています。
①から②にパスされたとき、③はインサイドにフェイクしてからアウトサイドに飛び出して②からパスを受けます(図30)。
①は②から③にパスされるときに③がドライブインできるようにタイミングを合わせて、自分のディフェンスが⑤のスクリーンにかかるようにカットインします(図31)。 ④はスペースを広げるためにウイングに上がっても構いません。
⑤は①にスクリーンをかけたら直ちに④にダウンスクリーンかけます。コーナーから上がってきた④は、ハイポストでのシュート、またはインサイドプレイをねらいます。このとき①は、ボールサイドのコーナーに移動し、ゴール近くをオープンにします。②は、③の後方に動く(図32)。
③は②に手渡しパスした後、④のスクリーンを利用して、カットインし、逆サイドのローポストまで走ります。⑤はリング下をオープンにするためにトップに上がります(図33)。すべてのチャンスがうまくいかなければ、②は⑤を経由して③にパスし、直ちにベーシックカットに入ります(図34)。

まず、ベイシックカット・ムーブメントを動ける人数を増やしましょう。セットオフェンスを採用する利点の一つは、動き方を覚えればとりあえず試合で使えるというところです。使える人数が多いほど、多くのメンバーを試合に使えることになります。それもまたチームとしては大切なことだと思います。

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