2017年6月30日金曜日

マンツーマンディフェンスの基礎

カレッジバスケットボールにおけるチームプレーの教則と言るケンタッキー大学のコーチ、アドルフ・ラップによる「ディフェンシブ・プレー7つの基本原則」というのがあります。 以前に「ディフェンスファンダメンタル(ポイント):後述」を提唱していますが精神的(抽象的)だったのに対してこちらは具体的(実戦的)な内容となっています。 ディフェンスの理論としては非常にいいものだと思います。まず、ディフェンスフットワークの前にディフェンスについての理論を紹介します。

<ディフェンシブ・プレー7つの基本原則>

1、相手のシュート数を減らす
オフェンスを成功させるためには「とにかく多くのシュートを打て.そうすればその成功率は自ら高くなるものである」と一般的にいわれています。これは真実です。だからディフェンスが最初に意識することは、相手チームのシュート数を減らすということでなければなりません。

2、確率の低いシュートを打たせる
プレーヤーには「ディフェンスは常に激しく、粘り強く」と指導しなければなりません。ハードで体力がいりますが、そのような守り方を好むプレーヤーは多いものです。
相手をあせらせバランスを崩した不正確なシュートを打たせるようにすれば、相手のシュート成功率は必ず低くなります。これが「パワフルでタフなディフェンス」であり「甘いディフェンス」との違いです。

3、バスケットから約5~6m以内のエリアでプレーさせない
これは、インサイドを固めるディフェンスの考え方を簡単に示しています。バスケットから18フィート(約5.5m)の地点に円を描き、その内側のオフェンスをすべて封じることができたら、リバウンドはすべて確保でき、きわめて楽なディフェンスが可能になります。現実には不可能であることは分かっています。しかし、それでもバスケットの近くでシュートさせてはならないという考えは正しいはずです。プレーヤー達がこの考えをしっかり受け止めてくれたら、それを達成するために努力してくれるでしょう。

4、相手のセカンドシュートを減らす
優れたディフェンスとは相手に第2、第3のシュートを許さないことです。簡単にリバウンドを取る方法はなく、他のプレーと同様に正確に相手と競り合いながらプレーしなければなりません。リバウンドを取るためにはシュート後、まず、自分のマークマンをスクリーンアウトして、飛び込まれないようにしてからボールをとりに行きます。リバウンドが強く、上手なチームは、チームが一体となってリバウンドを獲得します。

5、簡単に得点されることを減少させる
①取れそうもないボールを狙ってインターセプトをしようとした(ギャンブルした)ために、簡単なシュートを決められ、しかもそれまでの緊迫した試合が台無しになってしまうような場合。
②得点された後のベースラインからのスローインですぐにインターセプトされて、イージーシュートを打たれるような場合。
③目的のはっきりしない不注意なプレーによってルーズボールとなり、それを拾われてイージーシュートを打たれるような場合。
④相手のフリースローの失敗の後、スクリーンアウトしないためにリバウンドをとられてイージーシュートを打たれるような場合。
これらは相手チームが最小限の努力で得点することのできる、チープバスケットといわてれる悪例です。
ときには不注意であり、あるときには悪判断によるものです。実力のほぼ同じチーム同士の対戦では接戦のときに、このようなチープバスケットによって勝敗が決定されるものです。

6、ロングシュートを甘くみない
ボールがアウトサイドを回されているときでも、ボール保持者をマークするディフェンスは、常にタイトにマークしなければなりません。よいディフェンスの主な二つの条件は、シュートの数を減らすことと、楽にシュートを打たせないことです。例えばロングシュートの上手いプレーヤーにノーマークシュートを許すことは、上記の条件に反するわけです。そうならないためにも、ボール保持者には常に注意してマークしなければなりません。

7、ポストマンへのパスを防ぐ
アウトサイドのプレーヤーにはある程度ボールをもたれてもかまわないが、ポストプレーヤーには絶対にもたせないようにディフェンスします。もし、ボールをもたれると、相手は楽々とスクリーンを使うことができるし、フックシュートやジャンプシュートを打つことができます。また、フェイクして逆サイドにカットしたり、スクリーン・アウェイをしてノーマークになったり、カットインしてくる味方にパスもできます。このように、ポストにボールが入ったら、ディフェンスにとって大変危険な地域にボールがあることになります。

チーム内の練習においてもディフェンスのレベルを上げると、オフェンスのレベルもより上がります。

ディフェンスファンダメンタル(ポイント)
ディフェンスは、オフェンスと比べると能力に頼る部分が少なく、誰でもがグッドディフェンダーになれる可能性を持っているものです。しかし、ただ漠然とディフェンスに取り組んでも、決して上達していくものではありません。オンボールディフェンスをメインに、上達のために心掛けてもらいたい、強化のためのキーワードを紹介します。

・アティテュード(Attitude)
何もディフェンスだけに限ったことではありませんが、取り組む姿勢や意欲といったことが、その成否や向上の度合いに大きく影響してきます。また、試合で頑張ることはもちろん大切なことなのですが、試合でだけ頑張っても、いい結果が出るわけではありません。日頃の練習から努力を惜しまず、真摯な姿勢で取り組んでいくことが、何よりも重要なのです。

・メンタルタフネス(Mental Toughness)
ディフェンスにおいては、攻撃を仕掛けてくる相手の動き一つひとつに、忠実に対応していかなければなりません。このように、基本的に受動的なディフェンスを頑張り続けるためには、技術的な面ももちろんですが、強い精神力と集中力が必要です。「辛いディフェンスを頑張ることで勝利が得られる」ことを理解し、最後まで頑張り通す決心をして臨みましょう。ただ、現実は辛いだけでもありません。ディフェンスの成功を経験することで、辛いはずのディフェンスも楽しく感じられるようになるはずです。

・インテリジェンス(Intelligence)
基本的に受動的な動きだからこそ、より効果的な守り方の知識を得て、技術を的確に利用していくことが重要です。知識を得、経験を積み重ねていくことは、状況を瞬時に、かつ正確に判断し、相手の動きを予測する能力へとつながっていきます。身体だけでなく、頭脳もフル回転させて取り組みましょう。

・アンティシペーション(Anticipation)
受動的とはいえ、ただ単に相手の動きを追っていくのではなく、相手の動きをあらかじめ予測した上で、その動きに対応していくことが成功のポイントです。常に相手チームやマークマンの状況を観察しながら、その動きを予測し、備えておきましょう。

・ビジョン&トーク(Vision&Talk)
正しい判断を導くためには、多くの情報が必要です。そのためには視野を広くとることが重要なポイントとなります。また、眼では得られない情報を得るためには、チームメイトとのコミュニケーションが大切です。チームメイトと必要な声を掛け合うことは、情報交換のためだけではなく、互いのプレーの連携をスムーズにし、オフェンスに対してプレッシャーを与えることにもつながります。

・ノーギャンブル(No Gambling)
戦術的に、積極的に相手のボールを奪いに出ることはありますが、基本的にボールを奪い取ろうと狙い過ぎることは、賭けの要素が大きく、相手のイージーチャンスを増やしてしまうことにつながります。個人においても、チーム全体としても、ボールを奪うこと自体よりも、ディフェンスのバランスを崩さないことを中心に考えてプレーすることが、相手にプレッシャーを与えつづけるポイントとなります。


・コンフィデンス(Confidence)
中途半端なディフェンスほど、オフェンスにとって楽なものはありません。抜かれることを恐れず、相手にプレッシャーを与え続ける最大の努力をしましょう。コート上には4人のチームメイトがおり、カバー(ヘルプ)の態勢も整えてくれているはずです。自らが最大限の努力をした上で、仲間を信頼することがチームプレーです。

ディフェンスフットワーク
ディフェンスフットワークはディフェンス時の足のさばき方です。ここでは、いわゆるディフェンスフットワークの他にスタンスや集団の動き、スクリーンの対応などについて述べます。

ディフェンスでの「一歩の準備」

1.オンボールディフェンスの場合
相手とゴールの間で、腕1本から1本半の距離をとり、インライン(ボールとリングを結んだ線)をまたぎます。相手の動きに対していつでもこの位置関係を崩さない限り、抜かれることはありません。
次に相手の足を意識します。相手は必ずフリーフット(ピボットフットの逆の足)の方向に抜いて来るので、どの方向へ動くかを予想することが大切です。
相手がフェイクなどで、シュートスタンス以上に前に踏み込んできたときは1歩下がり、シュートスタンスに戻った時にフォワードステップ(細かいステップで距離をつめる)で元の位置に戻ります。前に踏み込んだ状態からすぐにシュートを打たれることはないためです。
しかしこれでは、相手の動きを追うことになり、どうしても後手をひきます。そこでディフェンスの左右にぬきやすいとぬきにくいサイドを作ります。これをディレクション(方向づけ)といい、サイドに追い込むディフェンスをファンディフェンス、中央に追い込むディフェンスをファネルディフェンスといいます。通常はサイドラインで詰まることがあるためファンディフェンスを行います。

2.オフボールディフェンスの場合

2線は、ボールマンが体を自分側に向けているときは、自分の方にパスをする可能性が高いので、ディナイで激しく守るか、ドライブを読んだ時はオープンでカバーとパスカットを両方できる位置へ動きます。ボールマンが逆サイドに向いた瞬間オープンスタンスに変え、すぐにヘルプポジションに行けるように準備します。ディナイディフェンスで守っている限りパスは飛んできません。レシーバーとの間にディフェンスの手が見えるからです。オープンディフェンスでは真っ直ぐにレシーバーが見えるのでパスが来る可能性があります。すなわち、パスを投げささないならディナイ、インターセプトを狙うならオープンに構えますが、かけひきの範囲に入るため、自分の狙いをはっきりして相手の狙いを潰すようにしていきます。

3線は、ボールマンと自分の相手を指でさして、両方見える位置へ動いて、フラットトライアングル(平らな三角形)を作ります。ボールと相手の動きで細かく位置を変えます。3線の役割はマッチアップとカバーリングです。オフェンスの動きによって細かく位置を変え、ボールカット、カットイン阻止、カバーリングができる位置を確保します。

3.プレスディフェンスの場合

プレスディフェンスの場合は、ボールが動いていなくても、「ボールマンの体の向き」「ボールマンが振りかぶっているか(遠くにボールを飛ばしそうか)」などを、まず次のプレーを判断して、そのプレーに対する準備が必要です。また、声で情報を味方に伝えるとともに、相手を威嚇してミスを誘発しやすいようにしましょう。
これは、オフボールディフェンスにも言えることで、自分の方にパスが来ると判断したら、ボールカットできる位置へ動きます。また、自分の方に相手のドリブルが来た場合は、ピンチとローテーションのタイミングを合わせて飛び出しましょう。

小さいようですが、ボールが飛んでから動くのと、振りかぶった瞬間に動くのでは0.5秒くらい違います。0.5秒あれば、前後左右3mはカバー可能です。3mはおよそスリーポイントの半分の距離です。これが、大きく飛んだパスをとれるか取れないかの差になります。

練習法

ディフェンス・ポジション

2人組で相手にパスをして、次のプレーを練習する。
①ジャンプバック(後方に小刻みにジャンプして距離をとる)
②ジャンプボール(ボールが前に出ている時にボールをつかむ。場合によってはそのまま奪い取る)
③テイクチャージ(ドリブルしてくるコースに入り込んでチャージングを狙う。オフェンスは突っ込んでいくこと。お互いに倒れないようにすること。倒れた場合はけがをする確率が高くなるおよび次のプレーが遅れるため。)
④スティック(ドリブルが止まった時に相手との距離をつめ、プレッシャーをかける)
⑤ドリブルカット(ドリブルに対して、相手の手の下に自分の手を入れてカットする。手は振り回さない。手の平を相手の外側にしてカットした時は、真っ直ぐに追いかけるが、手の平を内側にしてカットをした場合は、相手と逆方向に回ってボールを追いかける。)

3人組で、次のプレーを練習する。
①ディナイディフェンス(パスコースに手を入れて、パスを入れさせない)
②オーバーディナイ(パスコースに肩を入れて、多少遅れてもパスを入れさせない)
③シールディナイ(ディナイの手の逆側の腕を曲げ、相手に密着させ、相手の動きに合わせて動く)
④インターセプト(オープンディフェンスから手を入れずにパスを入れさせカットする)
⑤センターのパスカット(サイドディフェンスからパスの構えでフルフロントに変わる)
⑥ダブルチーム(ドリブルが止まったところから2人でスティックする)

4人組で、次のプレーを練習する。
①ヘルプ・アンド・リカバリ(ヘルプに出た後、元のディフェンスに戻る)
②スクリーンの対応(ファイトオーバー・スライド・スイッチなど)
③エクスチェンジ(ジャンプスイッチ:ドリブルに2線がピンチして1線と2線のディフェンスを入れ替える)

フットワーク練習

①サイドステップ(ステップスライド)
②クロスステップ(ランニングステップ)
③ラングライドラン
④スウィング
⑤ジャンプバック
⑥クローズアウト
⑦サイド ー コース
⑧サイド ー クロス - サイド
⑨サイド ー クロス - ラングライドラン
⑩サイド - コース - コース

オールコート1対1

ポジションからの積極的なディフェンスと、適正なフットワークの使い方の練習。ディレクション(方向づけ)を行い、相手の不利な方向に誘導する。

ハーフコート2対2

1対1に加えて、ディナイディフェンス、パスカット、シャットザゲート、ヘルプアンドリカバリー、スクリーンなどの練習をする。

オール(ハーフ)コート2対1

2人のオフェンスを1人で守る練習で、リングに近い方のオフェンスの線まで下がる。ドリブラーにコースチェックのアクションをかけ、パスコースに入る動きをする。相手にオーバープレーを見せることによってドリブルを止めたり遅くしたりして、味方が戻るまでの時間を稼ぐ。相手にわざとプレーを見せることをショウディフェンスといい、迷ったような動きをヘジテーションという。この場合はほとんど同じ意味として使われている。

オール(ハーフ)コート3対2

上記と同じであるが、ボールマンに対してディフェンスがつけるため、ディレクションで方向づけして相手の苦手なプレーに誘導できる。また、2線目のかけひきとしてヘジテーションを行い、レシーバーを迷わせる。

用語の説明


パワーポジション

ひざを120度~135度に曲げ、ひざとつま先の方向が一致するように立つ。足は母指球を中心に使うが場合によってはかかとも使う。 バスケットボール・ポジションともいう。
背筋で体を起こし、頭の位置はつま先とひざを繋いだ延長線上に置く。
足は床を踏ん張るのではなく、軽く左右に動くように重心を調整する。

ヒール・トウ・スタンス

一番普通にとられるディフェンススタンス。相手から見て、足を少し前後にしてかかととつま先が同じ距離になるように立つためヒール・トウ・スタンスという。
前に出した足側が抜かれやすくなるが、前後の動きに対応ができる。
距離は腕1本程度で、前の手はボールチェック(シュートエリア内ではシュートチェック)し、後の手はパスコースをチェックする。 自信がある場合は腕半分、抜かれそうな時は腕2本分と距離の調整を細かく行う。
前に出した足側に抜いてきた時をスウィングディフェンスをとる。

ボックススタンス
ディフェンスに自信がある場合にとられるスタンス。足を肩幅より少し横に開き相手に向かい合うように立つ。
距離は腕1本から半分で、両手で激しくボールチェックする。
抜いてくる相手に対しては、ジャンプバックで対応する。

ディナイスタンス

ディフェンスにパスを持たせないようにするスタンス。パスコースにクロスするように相手に向かい合うように立つ。
距離は腕1本程度かまたはシールする。前の手はパスコースに入れるか、相手の視野に入れる。
ボール側の動きはバンプで止め、裏への動きは視野を切りながらラングライドランで追いかける。

オープンスタンス(ピストルスタンス)
カバーディフェンスを中心としたスタンス。ボールマンと自分の相手を指さし、少しボール寄りにかまえる。
ボールや相手の動きによって細かくポジションを変える。
ボールサイドカットにはバンプ、ブラインドサイドカットにはクッションディフェンスを行う。
リング下を通る相手に対しては、相手側を向くスライドディフェンスかボール側を向くハーフムーンディフェンスを行う 。

サイドステップ(ステップスライド)
スタンスを肩幅より狭めず、相手について行くステップ。相手の1歩に対して2歩の動きが必要である。通常は必ずインラインに体を置くようにしなければならない。体が斜めに動いて行くのは間違いで、体は必ずオフェンスに正対しなければならない。
また、足を出してから引っ張るように指導されることが多いが、動きが断続的になるため不合理である。 ディフェンスフットワークは全て重心の連続的な動きが必要である。通常は横への重心移動、時に斜めや後ろに重心移動を行うが、いずれも動いた先で、最初と同じ形を保つようにしなければならない。
サイドステップはコースチェックに入りやすいため、相手のコースを意識することが必要となる。

スウィングステップ

サイドステップの向きを変える時に使うステップである。一旦停止してから逆方向に動くのは間違いである。
向きを変える足でキックターンすると同時に、重心の逆方向の移動と相手を正面にとらえることによりコースを変える。
キックターンからの重心移動は大きく行い逆方向の1歩目を兼用する。
下半身、特に足首とひざに負担がかかりやすいので、スポーツ傷害に注意する。

ジャンプバック
相手と距離をとりたい時に行う、両足で後方へジャンプするディフェンス。
相手によっては、2回・3回と繰返して行う。大切なことは、ひざを伸ばしたままかかとで行わないことである。
この場合はひざの負担が大きく、十字靭帯損傷の恐れがある。

バンプ(コースチェック)

相手のコース上に入り込むディフェンス。接触する場合が多く自分だけでなく相手にもけがをさせないようにしなければならない。
バンプの場合(特にドリブラーの)は、チャージングをとることを意識する。ルール上、自分の動ける範囲で静止する。

クロスステップ(ランニングステップ)
相手に向いたまま、足を交差させるステップ。サイドステップを加速させるときに行う。 つま先と膝の方向を合わせないと膝の傷害を起こすことがあるので、注意する。
クロスステップで相手に追いつけば、サイドステップからコースチェックを狙う。

ラングライドラン
相手に後方へ走られた時に行うステップで、基本的にはランニング(ダッシュのことです)と同じ。
ボールを見ずに追いかけるため、両手を相手の視野やターゲットハンドの位置に置き、パスミスやキャッチミスをしやすいようにする。

クローズアウト

離れた位置からディフェンスを行うときに使うステップ
ボールが空中にある間はダッシュでできるだけ距離を詰める。相手がボールを保持したらジャンプのフェイクをかけ、すぐのシュートを牽制する。
相手がシュートを打たなかったら、ハーキーステップで相手によってプレッシャーをかけ、相手が抜きそうならジャンプバックする。

ステイロー
通常のバスケットポジションに比べて、ひざを90度前後にして低くかまえることである。
ひざをより曲げた場合は、左右の動きに対して遅くなるが、動かない相手に対してはよりプレッシャーがかかる。
また、ひざを曲げることによってジャンプが高くなるという研究もあるが、スポーツ傷害の危険も高くなるので注意が必要である。
ドリブルの停止、ダブルチーム、スクリーンアウトなどで使用する。

カバーリング(ヘルプ)
自分の相手のディフェンスを確認しながら、味方のディフェンスの手助けをすること
ヘルプアンドリカバリー(カバーした後自分のディフェンスに戻る)が基本。
自分のディフェンスを見失いがちになるので、周りのディフェンスはローテーションの準備をしておく。

シャット・ザ・ゲート
カバーリングしたオフェンスに対して2人でコースを押さえること。ディフェンス2人の間を開けないようにしなければならない。それでも突っ込んでくるオフェンスに対してはチャージングの準備をする。

ヘルプ・アンド・リカバリー
ヘルプに出た後、元の相手に戻ること

ピンチ
自分の相手を捨てて、他のディフェンスにつくこと。
抜かれた後のディフェンス、ダブルチーム、ローテーションなどのときに発生する。
ランアンドジャンプの場合は、ピンチを計画的に連続して行い、相手のミスを誘う。

ショウディフェンス
ボールディフェンスに一旦入ってから、パスのタイミング(体や目の方向で)を予測して、パスカットまたは次のディフェンスに入るプレー

ヘジテーション
ボールディフェンスをするか、パスカットを狙うかどっちつかずのディフェンスをして、相手を迷わせ、味方が戻るまでの時間をかせぐディフェンス。ヘジテーションは躊躇することという意味。

ダブルチーム
ボールマンに対して2人でプレッシャーをかけるディフェンス。昔は殆ど使われなかったが、ゾーンプレスが普及してから一般的になった。

エクスチェンジ(ジャンプスイッチ)
ボールマンの前にピンチし、ノーマークになった相手に、ボールマンについていたディフェンスがつき直すプレー。

ローテーション
いろんな場面でノーマークになった相手に対して、ディフェンスを一つずつずらすこと

スクリーンに対する動き

ファイト・オーバー

ファイト・オーバー・ザ・トップ・スクリーンという。スクリーナー(スクリーンをかけた人)とユーザーの間を通過するディフェンス。スクリーン・ディフェンスの中では一番プレッシャーが強い利点があるが、スクリーンにかかりやすい欠点がある。

インサイド・スライド

スクリーナーとスクリーナーのディフェンスの間を通過するディフェンス。ボールサイドではディフェンスのプレッシャーが緩くなることからあまり使われないが、ボールの逆サイドでは、ディフェンスがボール側に寄るため、一番効果的なディフェンスとなる。

アウトサイド・スライド

スクリーナーのディフェンスの後ろを通過するディフェンス。スイッチを拒否したい時にたまに見る程度である。

スイッチ

ユーザーとスクリーナーのディフェンスを入れ替えて対応する。一般的で容易にプレー可能であるが、ピックアンドロールやミスマッチの危険が残る。
従ってスイッチの場合は、下記のスイッチアップを行ってディフェンスを交代する時間を稼ぐ。

スイッチ・アップ

スイッチする際にスクリーナーのディフェンスがユーザーの直前まで飛び出し、激しくプレッシャーをかけるプレー。

シャドー
ディフェンスの影から次のディフェンスが出るプレー。時間を稼いでスイッチやダブルチームを行う。

アップ・アンド・ダブル

スイッチアップした後、レイトスルー(ユーザーと同じコースを通ること)して、ダブルチームを作るプレー。このプレーではスクリーナーにパスが行かないようにローテーションするため、チームディフェンスとなる。

ヘルプアンドローテーション

スクリーンが動き出したときに3人目のディフェンスが参加し、残りの3人を2人で守るプレー。パスが通りやすくなるのでトラップを用意しておく。

ゾーン
スクリーンに対して、シュートを捨て、ディフェンスラインをスクリーナーにするプレー。右のカットインには右のディフェンスが、左のカットインには左のディフェンスがつく。

マンツーマンの失点の原因を特定するディフェンスのチェックリスト

1.オフェンス時にボールの行方を把握し続けている
2.ディフェンスのスタートと同時に自陣へ戻りだす
3.戻りながら自分のマークマンをつかまえられる
4.一刻も早くバックステップを踏む
5.ピックアップできないのなら声を出して味方にフォローを頼む
6.台形の中などまで戻りすぎてはいけない
7.速やかにディナイポジションに入らなければない
8.シュートエリアでボールをもらわせない
9.ボールを持ったときに足元でチェックできている
10.まずシュートを打たれないように守る
11.ボールをもらわれた直後は密着して守り、その後に一歩下がるようにする
12.ドリブルをつかせることを心がける
13.相手のピボットフットから20cmだけフリーフット側にずれて向かい合う
14.ボールマンの軸足側の自分の手を、相手のおへその下辺りに差しいれておく
15.腰を落とし、上半身は立ててレスポンスのいい状態で守る
16.重心は足裏全体に乗る
17.フェイクに反応せず、相手がドリブルをつくまで動かない
18.ドリブルをついたら相手のコースに瞬時に入り込みプレッシャーをかける
19.全力のディフェンスフットワークに耐えられる足腰がある
20.マークマンの特徴を把握する
21.シュートを打つ寸前まで、可能なかぎり前に出てプレッシャーをかける
22.マークマンがシュートに跳んでからチェックに跳ぶ
23.ディフェンスリバウンドを怠らない




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