2017年6月12日月曜日

リバウンド・ルーズボール

リバウンドははずれたシュートが跳ね返ってきたところをとることです。従って、オフェンスがとるオフェンスリバウンドと、ディフェンスがとるディフェンスリバウンドがあり、この2つはプレーの面でも違っています。

また、ボールがどちらの所有でもなくなったものをルーズボールと言います。リバウンドもシュートの手が離れた後はどちらのボールでもない(バイオレーションの制限はありますが)のでルーズボールの1種になります。これらのものは先に保持した方のボールとなります。

リバウンドの基本的な考え方
リバウンドを取るには、まずボールの動きについて知ることです。まず、シュートが打たれた場合、主に空気抵抗により減速し、投げた角度よりも垂直に近い角度で落下します。ボールがリングの手前に当たった場合、落ちる角度とリングに当たった場所角度の合力が垂直であれば真上に、リングの外側を向いていれば手前に、リングの内側を向いていればリングの向こう側に落ちます。リングの奥に当たった場合も同様です。しかし、シュートの上手になれば、リングの奥にはあまりあたらなくなりますし、よりリングの内側に近い位置でリングにあたりますので、リングの向こう側に落ちる確率が高くなります。

某大学の選手に45度(ウイング)からシュートを打ってもらい、外れたボールが落ちた位置を研究したものがあります。それによると、シューター側とその反対側のウイング方向を中心に分布しており、確率はシューター側が3割、シューターの反対側が5割となっています。残りの2割はフリースロー方向やロングリバウンドになっているのですが、特に分布が集中する場所はありません。正面から打ったシュートは正面に落ちます。選手の技術がありますので、一概にこの通りになるとは限りませんが、リバウンドを取るには、この2か所でどのように場所をとるかにかかってくることになります。次に、シュートの時間については、リリースしてからリングに到達するまで、3Pのシュートで約1.5秒と言われています。この時間に場所をとるか、止まってボールを見ているかによって、勝敗までも決まります。

リバウンドの獲得率と勝敗の関係について研究したものもあります。結果だけを示すと、リバウンドを多く取ったチームの勝率は約7割で、オフェンスリバウンドよりディフェンスリバウンドの方がより勝敗に影響が大きいとのことです。選手の身長差や技術の違いなどもありますが、この結果から、スクリーンアウトが勝敗にかなり影響することが分かります。

ルーズボールの基本的な考え方
どちらのチームも保持していないボールをルーズボールと言い、先に保持した方のボールになります。パスミス・キャッチミス・ドリブルミス・シュートミスなどの各ミスで発生する他、各種のスティールプレーでもルーズボールが発生します。相手のミスをつくのはもちろんですが、激しいディフェンスで多くのルーズボールを作り出し、ボールを奪うのも戦術の一つです。ルーズボールを奪うには、次のことを心がけましょう。

①相手より早くボールに向かってスタートする。距離が短いほど最初に動き出すほど有利です。足の速い遅いはあまり関係なく反射の速さで決まります。

②相手よりよい場所をとる。ボールと相手の間に自分の体がある場合は、相手はまっすぐにボールに向かえませんので、自分が有利になります。

③同時につかみそうだが近くに味方がいるときは、つかむことは考えず、指先で味方の方にボールを弾きます。

④同時につかみそうなときは、つかむことを考えずに、指先でボールを自分の方か自分の攻める方向に弾いて、もう一度ルーズボールを取り直します。

⑤サイドラインやエンドライン沿いのルーズボールで、味方が弾いたボールが外に出そうなときは、空中で体をひねってもパスが出せないときは、ボールを外に出してしまいディフェンスで守ることを心がけましょう。

オフェンスリバウンド
オフェンスリバウンドで一番大切なことは、落ちてくる確率が高い場所にどのように入り込んで場所をとるかということです。『リバウンドの基本的な考え方』に書いてある通りの位置の場所をとることが、一番最初に行うことです。ディフェンスが背後から前にまわり込んでスクリーンアウトにきた場合は、先にスクリーンアウトして一番落ちてくる確率の高い場所に相手を入らせないようにします。これらのことを行うためには、ディフェンスより早く動き始めなければなりません。

スクリーンアウトされた時には、相手と押し合いをしながらバックスピンする方法、後ろに下がって接触を外して飛び込む方法などがありますが、共にシュートがリバウンドになるまでにスクリーンアウトを突破しなければなりません。ボールが相手のシリンダーに入ってしまうと、よほど身長の差がない限り奪うことは難しく、身長の変わらない相手ではファールの可能性が高くなりますので、次のプレーの準備をするのがいいでしょう。次のプレーはチームの約束事ですが、スティール・ダブルチーム(相手にパスを躊躇させてゾーンプレスするチームもある)・アウトレットパスのインターセプト・ハリーバック(ゾーンの場合はこれが多い)などです。リバウンドを相手に取られたときの対応は、用意しておくのが良いと思います。

ディフェンスリバウンド
ディフェンスリバウンドで一番大切なことは、オフェンスとリバウンドを争うのではなく、オフェンスにリバウンドを取らせないことです。そのためにはスクリーンアウト(ボックスアウト・ブロックアウト)をしっかりと行い、ボールの落ちてくる確率の高い場所に入れないことです。

スクリーンアウトのやり方は2種類知っています。いきなり背中を相手に向けてもかわされてリバウンドの取れる位置に入られます。
多いのは、例えば、相手の右足の横に右足を置き、半回転してスクリーンアウトに入る方法です。

もう一つは、相手を体の側面で止め、自分の前方に動いてきた場合はフロントターンで、自分の後方に動いてきた場合はバックターンで、スクリーンアウトに入る方法です。
いずれにしても、シュートリリース直後から動きだすこと(相手がシュートフォームからのパスがなければ、リリース前に動き出してもよい)から動きだし、ボールが空中にある間にスクリーンアウトを完了することが大切です。3Pのボールが空中にある時間は約1.5秒です。ここまでを1秒以下で行うと、約0.5秒でボールがリバウンドになるので、1秒から1.5秒間相手を抑えきればリバウンドを取ることができます。大切なのは、リング下に誰もいなくなため、誰かがスクリーンアウトを突破されると、オフェンスリバウンドを取られる可能性が高くなります。なお、ベースライン側は突破されてもバックボードの裏側に押し込んでリバウンドに参加させない方法もあります。

腕の位置もいろいろな考え方がありますが、自分のシリンダーの中で肘から手首までをシリンダーに沿わせて、腕全体をリングの方に場所をとるのがシリンダーが理解しやすく高く手を上げるためリバウンドをとりやすくなるためいいと思います。

リバウンド練習

シュート練習の玉拾い
シュート練習の玉拾いは大抵低学年がシュート練習のときによくやっています。コーチもリバウンドやルーズボールの練習とは考えないのが多いようです。いやいやながら、または何も考えず惰性でやっている人がほとんどだと思います。漠然と行わず、シュートを打つ位置と落ちる場所の関係、リング下に入り込んでたくさんのボールに対する反応など、多くの練習材料が転がっています。しかもシュート練習の時間は結構長いですから、まず、これを利用しましょう。ボールのあまり来ないようなところで突っ立っているより間違いなく上手になります。

アップのコンタクトプレー
二人でリズムを合わせて、空中で体の前後左右をぶつけ合います。バランスを崩さずに着地することが大切です。アップドリルの1つとして行うのがいいと思います。

前にまわり込んでスクリーンアウト
一人が歩き、もう一人が後ろから追い越して、チェックアウトからスクリーンアウトをします。アップドリルの1つとして行うのがいいと思います。

からのボールスラップ
ボールを上に上げてボールの上から片手で巻き込むようにキャッチします。つかんだボールは体の前に持ってこないで肩の上に持ってきます。但し長身選手は肩の上にも持ってこないで腕を真っ直ぐ伸ばして一番高いところでボールをキープします。アップドリルの中に組み込んでしまうのがいと思います。

下からのボールスラップ
ボールを上に上げてボールの下から片手で巻き込むようにキャッチします。ボールをつかんだ後は上と同じです。

ティップ
ボールを指先で弾く技術です。リバウンドで落ちてくるボールを自分方に弾くほか、相手がつかんだボールを手の間からぬくなどのプレーもあります。ボールを上に投げて、手の平を上に向けてボールを弾きます。弾いたボールはもう一度ジャンプしてつかみます。最初はなかなかうまくいきませんが、身に付けると大きい武器になります。

ティップアウト
リバウンドを味方の方に弾く技術です。リバウンダーの後ろからボールをバックボードに当ます。ボールを投げた選手はウイングに走り、リバウンダーはウイングへボールを弾きだします。

ジャングルドリル
4人組で1人がシュートを打ち、3人でリバウンドを争います。シュートのポジションから見てのポジションの取り方、スクリーンアウト(考えないと3人目に取られる)、などのかけひきが必要です。ボールはラインから出るまで追うようにします。危険なファウルは注意しますが軽いファウルは見逃します。シュートを入れた人が次のシューターになります。

オールコートのタップ
多くのチームがやっています。オールコートを使用し、ボールをタップしたらダッシュして逆のリングでタップしこれを繰り返します。ダッシュとジャンプの繰り返しになるので、手を抜かなければかなり消耗するので、人数の多いチームではいくつかのチームが順番で行うのがいいでしょう。

サークルスクリーンアウト
これも多くのチームがやっています。サークル(仮想でもよい)のまわりを2人一組で4~5組ほど入れ、5秒間ボールを触らせないようにスクリーンアウトをします。最初はスクリーンアウトの姿勢から3秒程度で行い、徐々に向かい合わせのスクリーンアウトで5秒間にします。

チェックアウト(身体の前面で相手を止める)からの3線
スクリーンアウトの姿勢がとれない場合はチェックアウトで、相手を抑えることになります。誰かがシュートを打ち、落ちてくるボールに対してチェックアウトしていない方の手でリバウンドを取り、ファウルラインの延長上にアウトレットパスをします。これから先は3線になるので、各チームでどのような3線にするのかを考えて下さい。

スクリーンアウトからの3線
上と同じプレーですが、スクリーンアウトをします。

フリースローのスクリーンアウト
フリースローからスクリーンアウトを確実に行ってリバウンドします。

フリースローからの2対2
フリースロー1名、リバウンド4名で行い、右の1番目と左の2番目、左の1番目と右の2番目がチームとなります。フリースローをして、リバウンドから狭い範囲での2対2に移行します。

ルーズボール
多くのチームがやっている練習です。ボールを転がしそれを追いかけてとり返球します。トラベリングに注意しましょう。

ツーボールのルーズボール
ボール2つのルーズボールです。やり方は上と同じですが、転がったボールをつかむと同時に次のボールを出します。

ボールを床に落とさないルーズボール
これも上と同じですが、リバウンドやロングパスのディフェンスを意識して行います。しっかりジャンプしましょう。

ルーズボールからドライブイン
ボールを転がしそれを掴んでドライブインします。

ルーズボールからジャンプシュート
ボールを転がしそれを掴んでジャンプシュートします。

ループボールから1対1
両方のショートコーナーに選手を置いて、リング下から出したボールを取り1対1に入ります。ボールに飛び込むより場所をうまく取るようにします。

ルーズボールから3対3
オールコートの4か所とセンターサークルに2人おきます。ハーフコートにいる3人が1チームです。ワンバウンドのボールをセンターサークルの2人がボールを取り合い、取ったチームが攻撃します。ホイッスルの代わりにバウンド音をスタートの合図にします。


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